脳神経外科顧問・佐野公俊副院長による新川橋公開講座「クモ膜下出血とその予防」
平成23年11月19日(土)、当院ライブラリーにおいて、当院副院長であり脳神経外科顧問の佐野公俊医師による新川橋公開講座「クモ膜下出血とその予防」が開催されました。佐野医師による公開講座は前回5月7日に続いて2回目ですが、あいにくの雨にもかかわらず、川崎市・横浜市ご在住の方だけではなく、全国から多くの方々がお越しになられました。
佐野医師は、脳の血管の病気である未破裂脳動脈瘤の手術において世界でも極めて少ない無血手術が出来る技術を持っており、その脳動脈瘤クリッピング手術の症例数はこれまで3100例を超えており、その症例数はギネスブックに載ったこともあります。現在は当院において、地域のみならず全国から集まる脳血管疾患の患者様の診察・手術を行い活躍しております。 また若くやる気のある脳神経外科医師たちへ、脳神経外科手術の「技術」とともに医療に向き合う「姿勢」の伝承にも努めており、国内外の脳神経外科分野のあらゆる学会においても中心的役割を担い、医学界をリードしております。 世間ではその手術の高度な技術をもって「神の手を持つドクター」と言われますが、その近寄りがたいイメージとは異なり、佐野医師と接した患者様やそのご家族からは、やさしく、温厚な人柄であることから、むしろ患者様からは「仏の心を持つドクター」と呼ばれております。
今回約50分間の講演では「クモ膜下出血とその予防」について、クモ膜下出血をおこす原因である脳動脈瘤について、その構造や対処方法、クリッピング手術の専門的なことも動画をおりまぜながら、わかりやすくお話しました。途中、パソコンの機械トラブルによる一時中断も、「パソコンは手術より難しい」などの冗談もあり、終始和やかな雰囲気で講演は進められました。
また特別講演として、名古屋市にある総合上飯田第一病院・脳神経外科部長の魚住洋一先生に「東日本大震災~宮城県への災害派遣の経験と教訓~次の震災に備えて」を講演していただきました。3月11日に襲った“東日本大震災”のその最も被害の甚大だった宮城県の最前線へ、当時陸上自衛隊第10師団司令部・医務官として災害派遣に向かわれた魚住洋一先生の経験についての貴重なお話で、現場の生々しい惨状や自衛隊の活躍、復興に向かう地域の歩み、今後の対策に向けた提言では、会場の皆様もそれぞれの立場で3月11日をふり返えられたのか、会場が一つになる瞬間を感じました。
全ての講演終了後に行った「個別相談コーナー」には当院脳神経外科部長の稲葉泉医師も加わり、多くの皆様からのご相談に真摯にお応えさせて頂きました。
アンケートでも好評につき、次回は来年5月頃に開催を予定しております。 また、前回5月29日の公開講座の模様は動画で当院ホームページに掲載しておりますので、開場にお越し頂けない方はぜひ一度ご覧ください。