白内障手術

白内障とは

眼の中のレンズの役割をする「水晶体」が濁ってしまう病気です。

ピント合わせの機能をする水晶体は、若い時はゼリーのように柔らかく透き通っていますが、40歳を過ぎた頃から徐々に硬さを増し、さらに60歳にかけて次第に黄色くあるいは白く色づいてきます。
加齢による水晶体の硬化でピント調整がうまくできなくなった状態が老視(老眼)、透明性が低下し混濁してくるのが「白内障」です。

白内障の症状

  • 視界が全体的にかすむ
  • 視力が低下する
  • 光をまぶしく感じる
  • 暗いときと明るいときで見え方が違う など

見え方の例

白内障年齢別発症率

加齢性の白内障は早い人では40代から発症します。
80歳を超える頃にはほとんどの人がなんらかの白内障の状態になっており、90歳を超えるとほぼ全員が白内障になっているとされます。
白内障は決して特別な疾患ではありません。

白内障の検査・治療法

白内障の治療は、病状の進行具合によって異なります。検査を行い手術が必要かを判断いたします。(眼科の主要検査一覧

なお、日常生活に支障がない初期の段階では点眼治療もありますが、水晶体が元に戻るわけではありませんので、見え方に支障を感じるようであれば手術治療を考えます。

手術は麻酔薬を点眼して行います。目の周囲に麻酔薬の注射を追加することもありますが、強い痛みを感じることはありません。
目の表面をほんの数ミリ切開し、濁った水晶体を超音波で砕きながら取り除き、そこへ人工水晶体である眼内レンズを挿入します。手術時間は20分程度で、日帰りまたは数日の入院で行える手術です。

術後のケアはとても大切です。定期的に診察を受けて、処方された点眼薬を正しく使って炎症や感染を防ぎます。

当院で使用している眼内レンズ

眼内に挿入されたレンズ(眼内レンズ)は生涯にわたり安定した固定性と透明性を維持しますので、交換や再手術の必要もありません。
眼内レンズにはピント調節機能はありませんので、手術後もメガネなどによる視力の矯正が必要な場合があります。挿入する眼内レンズについては医師と相談して決めます。

単焦点 多焦点
希望された距離の一か所のみ 遠方・中間・近方の複数箇所
保険診療 選定療養 保険外診療

単焦点と多焦点レンズの違い

眼内レンズの費用と種類について

単焦点眼内レンズを用いた白内障手術(保険診療)

健康保険 1 割負担 健康保険 3 割負担
負担額(片眼) 約2万円 約6万円

※ 費用は個人差があります。あくまで目安としお考えください。
※ 食事代・病衣代・差額ベッド代が別途発生いたします。

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術

選定療養(保険診療+自費)

負担額(片眼) 白内障手術費用(保険診療)
多焦点眼内レンズ代(自費) 24万円〜35万円

白内障手術に係る費用(保険診療)に、多焦点眼内レンズ代(自費)が追加されます。レンズの種類によって金額が異なります。

※選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。2020 年 4 月より、術後の眼鏡装用率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。(当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。)

保険外診療(自費)

負担額(片眼) 70万円~75万円

保険外診療の多焦点眼内レンズに関して、入院費用(1 泊 2 日)、眼内レンズ費用、手術費用、術後 1 ヶ月間における定期検査での外来診療費をすべて含みます。レンズの種類によって金額が異なります。

眼内レンズには単焦点、多焦点と様々なレンズがございます。
まずは診察をさせていただき、患者様の希望をお聞きした上で、主治医が適切な眼内レンズをご提案いたします。
お困りなことがあれば、主治医へご相談ください。

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