片頭痛を知ろう

片頭痛とは

片側あるいは両側のこめかみや目の奥などの部位が、「ズキンズキン」脈打つように・「ガンガン」響くように痛くなる頭痛です。痛みがひどくなると吐き気をともないます。また、動いた時に振動で痛みが増強したり、光や音・臭いが不快に感じたりする事があるため、暗くて静かな部屋でじっとしていた方が楽に感じることが多いです。

頭痛の前兆として閃輝暗点(せんきあんてん)を生じることがあります。閃輝暗点とは、様々な形の光が見えたり、チカチカと光るフラッシュが見えたり、視野の一部が見えにくくなる症状です。 (このような前兆の多くは15~30分で消失し、続いて頭痛が始まります。)

片頭痛とはどのように起こっているか

片頭痛は、血管の拡張にともなって起こります。

痛み止めの使用方法について

痛み止めは2種類処方されます。(手持ちの薬がある場合は、処方しない場合もあります。)

①ロキソニン、カロナールなどの通常の痛み止め(市販の痛み止め)
②片頭痛専用の痛み止め(トリプタン系薬剤)

片頭痛専用の痛み止めは、前兆期に服用しても効果が乏しいことがあります。片頭痛が始まり、「軽度」のうちに服用すると高い効果が得られます。 片頭痛だけでなく、吐き気や嘔吐、光過敏・音過敏などの症状も抑えます。

痛み止めの飲み方の注意点は2つです。

①頭痛を感じたら早めに飲む

片頭痛専用の痛み止めの服用のタイミングは、頭痛が軽度か、もしくは片頭痛発作早期(発症より1時間ぐらいまで)が効果的です。我慢できなくなってからの内服や、痛くなりそうな気がする時(片頭痛前兆期・予兆期)に内服してしまうと、薬が適切に効かず、痛みが治りにくい状態になってしまうことがあります。

②飲み過ぎに注意する

薬物乱用頭痛を防止するため通常の痛み止めの使用は月10日程度に留める
・1日複数回内服した日も1日と数え、それが月10日を超えないようにして下さい。(回数ではなく、日数に注意)

薬物乱用頭痛とは、他の理由で処方された鎮痛薬や市販薬、片頭痛専用の頭痛薬を過剰服用することにより、逆に、頭痛の頻度が増えたり、薬が効きにくくなったりする頭痛です。

FAQ

Qロキソニン(通常の痛み止め)と片頭痛専用の痛み止めは一緒に内服してもよいですか?

一緒に飲んでもかまいません。以下に内服の例を示します。
❶頭痛がある時:最初にロキソニンなどの通常の痛み止めを内服し、数十分経っても改善の兆しが
ない時に、片頭痛専用の痛み止めを飲む(頭痛が軽度か、頭痛を感じて1時間以内)
❷あまりの激しい痛みの時:ロキソニンと片頭痛専用の痛み止めを同時に飲んでもかまいません。
❸経験から片頭痛と思う時:片頭痛専用の痛み止めを先に飲んでもかまいません。
あくまでもこれは参考例です。重要なのは自分なりの薬の飲み方やタイミングをつかんでいくことです。

Q肩こりが頭痛の原因のような気がする?

片頭痛と肩こりの両方を抱えている方もいます。以下に肩こりと頭痛の例を示します。
❶肩こりが片頭痛の原因になっていること
❷片頭痛の初期症状として肩がこる感じがすること
❸肩こりが原因で筋肉のこりによる頭痛(緊張型頭痛)を起こしていること
いずれも、肩こりを緩和することで頭痛が軽減することがあります。筋肉をリラックスさせて肩こりを  
軽減する薬が処方される場合があります。

よくある片頭痛の引き金になるもの(生活増悪について)

片頭痛は、様々な理由が引き金になって起こります(誘発因子)。誘引で起き、悪化することがあります。これらは、日常生活の中に色々な理由があるために起こります。まずは、頭痛の引き金や悪化する因子を探してみましょう。

ストレス、精神的緊張、疲れ、寝不足、寝すぎ

ストレスを減らす、リラックスできる方法を試す
疲れを貯めない、規則正しい生活をおくる。

天候の変化(気圧)、温度差、日差し

温度調節できるように工夫する

アルコール

禁酒する

肩こり

肩こりを改善できるようにする

ホルモンバランスの変化

月経周期(内因性因子)や、ピルなどの内服によって起こる場合もあります

片頭痛予防薬について(頭痛の頻度のはなし)

片頭痛の頻度が多く、痛み止めを飲む回数の多い人には、片頭痛予防薬を飲むことで、片頭痛の頻度を減らすことができます。

よく処方される頭痛予防薬 ※※数週間飲み続けないと効果が出ないものもあります

ミグシス  デパケン  トリプタノール  呉茱萸(ごしゅゆ)湯(とう)  釣(ちょう)藤散(とうさん) 等

片頭痛に役立つツール

頭痛日数、服薬日数、月経との関連などの頭痛情報は自分で正確に覚えていないことが多く、医師への情報の伝達が難しい場合があります。頭痛について記録することで、頭痛の状況を把握し、正確な情報を効率よく医師に伝えることができます。
頭痛ダイアリーやカレンダーなどに記録したり、最近ではスマートフォンのアプリに記録したりできます。頭痛関連のアプリでは、気圧変化の予報機能があるものもあります。

頭痛外来の案内

頭痛でお困りの方は、脳神経外科外来へご相談ください。
頭痛外来は、(月)午前、第2.4(土)午前に行っております。事前にご予約が必要ですので、受診を希望される方は、地域医療連携課までご連絡ください。

【ご予約・お問合わせ先】
総合新川橋病院 地域医療連携課
直通 044-222-2029

パンフレットはこちらからダウンロードできます

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