第12回 “結膜炎” アレルギーのシーズン到来(2月17日)
瞳みつめて 第12回「結膜炎~アレルギーのシーズン到来」
赤み、痒み、目やに―。みんな結膜炎の症状です。黒目(角膜)周囲の白目の部分を眼球結膜(球結膜)、上まぶたをひっくり返したり、下まぶたをアッカンベーしたりすると見えるまぶたの裏側部分を眼瞼結膜(瞼結膜)と言いますが、細菌やウイルス、あるいはアレルギーなどによってこの結膜に炎症が起こるのが結膜炎です。
手指などについた病原菌が、目をこすることなどで結膜に感染し、充血、異物感、目やになどの症状を起こすのが細菌性結膜炎やウイルス性結膜炎。一方、空気中を浮遊しているアレルギー物質が結膜に付着することで痒みや涙目を起こすのが、アレルギー性結膜炎です。
アレルギー性結膜炎は、乳幼児からお年寄りまで幅広い年齢層にみられ、またその原因も大気の粉じんや家のホコリ、さらにコンタクトレンズなどさまざまですが、これからの時期は花粉によるアレルギーで結膜炎や鼻炎が起こる花粉症の患者さんが急増します。
神奈川ではスギやヒノキの花粉飛散がちょうど今頃の2月中旬から始まり、5月くらいまでがシーズン真っただ中。その後、夏にかけてはイネ、秋にはブタクサやヨモギなどの花粉が飛び交います。
ひと昔前に比べ花粉症の患者さんはとても多くなりました。中壮年期になって初めて花粉症に悩んでいるという方も少なくありません。それは、戦後に大量に植林された樹木が花粉を盛んに飛散させる樹齢30年をちょうど迎え、今がまさにかつてない「花粉大量飛散時代」だからです。
とても痒いアレルギー性結膜炎、でも痒いからといって目をこすればこするほど、さらに痒くなるので厄介。症状が強くなる前の、今の時期から予防的に抗アレルギー薬の目薬を使うのが効果的です。それでも痒みなどが収まらない場合には抗炎症薬の目薬を使います。
実は私も花粉症で目薬を使っています。鼻水が止まらないときは、間違ったふりをしてそっと鼻の中にも。これ、かなり間抜けな光景です。どうかナイショで・・・。
総合新川橋病院
副院長 眼科 薄井紀夫
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